【芥川賞】歴代売上ランキングトップ10|歴代の名作を紹介

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芥川賞1 おすすめ作品

純文学の短編または中編に送られる芥川賞。

新人作家の登竜門として1935年に始まり、現在まで毎年2回発表され、数々の名作を世に放ってきた。

エンタメ小説に比べて読者の絶対数は少ないものの、ミリオン超えの大ヒットを記録した作品も多く存在する。

本記事では、そんな芥川賞の歴代売上ランキングトップ10を紹介します。

どれも素晴らしい作品なのでぜひ積読の参考にしてください。

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①『限りなく透明に近いブルー』367万部

不動の1位 賛否を巻き起した衝撃作

作者村上龍
受賞時期  第75回芥川賞(1976年)  
テーマ米軍基地での退廃的な青春

■作品紹介
村上龍のデビュー作かつ代表作。作者が20代に過ごした米軍ハウスでの体験に基づく。
前例の無い表現で文芸界に衝撃を与え、選考会では賛否が分かれ、2時間にわたる論戦が起こった。

■あらすじ
米軍ハウスで荒廃した生活を送る若者の物語。ドラッグ、暴力、乱行パーティ、そんな刹那的な快楽に暮れるリュウには、自分を抑圧する巨大な鳥の存在が見えている・・・?

露骨な性描写や暴力、詩的で観念的な描写が多く、好き嫌いが分かれるかもしれない。

②『火花』326万部

■芥川賞史上最も話題になった作品

作者又吉直樹
受賞時期  第153回芥川賞(2015年)  
テーマお笑い芸人の葛藤

■作品紹介
お笑い芸人ピース又吉直樹のデビュー作。単行本のみの発行部数では『限りなく透明に近いブルー』を抜いて1位を記録した。(文庫本との累計では2位)ドラマや映画化も続々と決まり、芥川賞史上最も話題となった。

■あらすじ
売れない芸人・徳永が、先輩芸人・神谷と出会い師弟関係になる物語。奇想の天才でありながら世間に認められない神谷との交流で、笑いの哲学を学び、同時に夢追人の苦しい葛藤にぶち当たる。

タレントが書いた話題作という偏見は無用。胸を張っておすすめできる純文学小説。

③『されどわれらが日々』184万部

■当時の若者のバイブルとなった作品

作者柴田翔
受賞時期  第51回芥川賞(1964年)  
テーマ学生運動の青春

■作品紹介
東大独文学部の助手を務める柴田翔が、自身の同人誌で発表した作品。政治の季節である60年代から70年代の若者の闘争、恋愛、裏切りを描き、当時の若者のバイブルとしてベストセラーを記録した。

■あらすじ
全共闘時代の東大を舞台に、デモ活動から逃げ出した男性や、学生運動の挫折後に主婦として生きる女性の葛藤が描かれる。社会が大きく揺れ動き、確かなものが存在しない時代を生き抜く、若者たちの様子を写し出す。

現在では時代を感じさせる内容となったが、当時の虚無的な空気感を知れる歴史的作品。

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④『蹴りたい背中』159万部

■最年少19歳で受賞した話題作

作者綿矢りさ
受賞時期  第130回芥川賞(2004年)  
テーマオクタ文化と愛憎

■作品紹介
17歳で小説家デビューした綿矢りさが、最年少19歳で芥川賞を受賞した話題作。『限りなく透明に近いブルー』以来28年ぶりにミリオンセラーを記録した。

■あらすじ
女子高生のハツが、クラスメイトのオタク男子にな川と交流する物語。いつしかハツは、にな川に執着するようになり、しかしそれは愛着と苛立ちが入り交じった、背中を蹴りたくなるような感情だった。

太宰治を彷彿とさせる、内面の感情を赤裸々に、ユーモラスに描く作風が魅力の作品。

⑤『コンビニ人間』102.5万部

■この10年で最も現代を写した話題作

作者村田沙耶香
受賞時期  第155回芥川賞(2016年)  
テーマ「普通」の人生とは?

■作品紹介
コンビニエンスストアで週3回働く作者が、その体験を元に執筆した作品。選考委員の村上龍は、「この10年、現代をここまで描いた受賞作は無い」と絶賛した。

■あらすじ
大学卒業後に就職せず、30代半ばになってもコンビニでアルバイトを続ける女性の物語。周囲から疑念の目を向けられ、社会の中で異物のように扱われる人生の中で、「普通」とは何かを問いかける。

心理描写などは殆どなく、ひたすら面白く、芥川賞史上最も読みやすい作品。

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⑥『深い河』90万部

■三島由紀夫と川端康成が絶賛した作品

作者田久保英夫
受賞時期  第61回芥川賞(1969年)  
テーマ朝鮮戦争中の苦悩

■作品紹介
短編の名手と言われた田久保英夫の代表作。長くに渡り候補作品留まりだった田久保が、41歳の頃にようやく受賞し、選考委員である三島由紀夫と川端康成に絶賛された。

■あらすじ
朝鮮戦争の時代、米軍キャンプのアルバイトで馬の世話をする主人公の物語。獣医がいなくなったキャンプで、馬と一緒に置き去りにされた主人公は、戦争の暗影に潜む強烈な殺戮体験を経験する。

選考委員の顰蹙を買うほど、ずば抜けた文体が輝く、芥川賞史上最も完成された作品。

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⑦『赤頭巾ちゃん気をつけて』90万部

■『深い河』とのW受賞を果たした作品

作者庄司薫
受賞時期  第61回芥川賞(1969年)  
テーマ学生運動時代の葛藤

■作品紹介
『深い河』とのW受賞で話題になった、学生運動の時代の高校生の生活を描いた作品。今もなお青春小説の最高傑作と謳われ、ベストセラーを記録し映画化もなされた。

■あらすじ
学生運動の影響で、東大入試が中止になった高校生の物語。そのうえ愛犬の死や、幼馴染との絶交が重なり、踏んだり蹴ったりの生活だった。そんな不安定な青年の目から、価値観が揺らぐ日本社会の姿が描かれる。

饒舌で軽妙な文体が特徴の本作は、今もなお斬新な文学作品として評価されている。

⑧『蛇にピアス』65万部

■村上龍の遺伝子を引き継いだ問題作

作者金原ひとみ
受賞時期  第130回芥川賞(2004年)  
テーマ人体改造文化

■作品紹介
『蹴りたい背中』とのW受賞で話題になった、金原ひとみのデビュー作。選考委員の村上龍が本作を受賞させようと動いた。2008年には吉高由里子主演で映画化され、原作の世界観を損なわない暴力的で性的な描写が話題になった。

■あらすじ
主人公のルイは、クラブで出会ったアマのスプリットタンに惹かれ、人体改造にのめり込んでいく。その狂気的な存在証明と、永久に満たされない渇望、そして愛するアマの行方不明によって、ルイの心は深淵を彷徨う。

村上龍を彷彿とさせる、暴力や性衝動た孤独に荒廃した若者を描いた問題作。

⑨『おらおらでひとりいぐも』50.7万部

■芥川賞史上2番目の高齢受賞63歳

作者若竹千佐子
受賞時期  第158回芥川賞(2018年)  
テーマ老後の孤独

■作品紹介
文藝賞を史上最年長で受賞し、芥川賞も2番目の高齢受賞となった話題作。一人称と三人称が混交され、一人称は東北方言、三人称は標準語で書かれる独特の文体が特徴。

■あらすじ
夫に先立たれ、娘とも疎遠になった、75歳の女性の物語。孤独な生活の中で、脳内で会話をするようになり、郷里との別離、夫との出会い、必死だけど幸福な子育、そして孤独になった今を行き来する。

方言が少し読みづらいが、誰しもが逃れられない老いについて、深く考えさせられる。

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⑩『推し、燃ゆ』50万部

推しが燃えた。ファンを殴ったらしい

作者宇佐見りん
受賞時期  第164回芥川賞(2020年)  
テーマ推し文化

■作品紹介
綿矢りさ、金原ひとみに次ぐ、歴代三番目の若さで受賞した宇佐見りんの作品。今の時代を象徴する推し文化を題材に、現代人の人間関係や孤独が描かれている。

■あらすじ
学校でもバイト先でも家庭でもうまくいかない、女子高生あかりの唯一の生きがいは、男性アイドル真幸を”推す”ことだ。ところが真幸がファンを殴って炎上し、その事件があかりの生活にも大きな影響を与える。

今最も読むべき小説、これからも永久に読み継がれる名作。本ランキングの中で1番おすすめしたい作品である。

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まとめ

【芥川賞:歴代売上ランキングトップ10】

①『限りなく透明に近いブルー』
②『火花』
③『されどわれらが日々ーー』
④『蹴りたい背中』
⑤『コンビニ人間』
⑥『深い河』
⑦『赤頭巾ちゃん気をつけて』
⑧『蛇にピアス』
⑨『おらおらでひとりいぐも』
⑩『推し、燃ゆ』

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