プロレタリア文学おすすめ代表作7選|作家ごとに作品を紹介

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プロレタ おすすめ作品

労働者の厳しい現実を風刺的に描いたプロレタリア文学。

社会主義思想の高まりによって1920年代から1930年代に流行し、一時は芥川龍之介を凌ぐほどの人気がありました。

しかし軍国主義が進む戦前の日本では、政府に反旗を翻すプロレタリア文学は、危険思想として弾圧の対象になり、小林多喜二が築地警察で拷問死した事件を機に衰退しました。

まさに国に挑み、国に殺された文学。

そこで今回は、プロレタリア文学のおすすめ代表作7選を紹介していきます。

ブログ筆者
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どれも歴史に残る名作なのでチェックしてみてください!

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①『蟹工船』小林多喜二

■プロレタリア文学の金字塔

作者小林多喜二
発表時期   1929年(昭和4年)   
ジャンル中編小説
ページ数139ページ

■作品紹介
プロレタリア文学の騎手・小林多喜二の代表作。「1929年上半期の最高傑作」と称された一方で、その過激な内容から、発禁処分や不敬罪になった。

■あらすじ
「おい地獄さ行ぐんだで!」
劣悪な労働環境の蟹工船では、拷問や病気で死者が絶えない。政府も企業と屈託して黙認している。やがて労働者の怒りは爆発し、ストライキに踏み切るが・・・

2009年に公開された松田龍平主演の映画もおすすめです。

②『党生活者』小林多喜二

■小林多喜二のもう1つの代表作

作者小林多喜二
発表時期   1933年(昭和8年)   
ジャンル中編小説
ページ数127ページ

■作品紹介
『蟹工船』で有名な小林多喜二の、もう1つの代表作。共産主義弾圧が激化し、地下で活動を行なう作者の実体験に基づく。

■あらすじ
工場に勤める主人公は、社会主義者であることを隠して党の結成を企てている。だが仲間が検挙されたり、一緒に暮らす女性が「赤」だと疑われ解雇されたり、様々な困難が押し寄せる。特攻警察に追われた主人公の運命はいかに・・・?

作者が築地警察で拷問を受け死んだ後、多くの障害を経て発表された。

③『セメント樽の中の手紙』葉山嘉樹

■教科書に掲載されたプロレタリア文学

作者葉山嘉樹
発表時期   1926年(大正15年)   
ジャンル短編小説
ページ数7ページ

■作品紹介
小林多喜二と並ぶ、プロレタリア文学の騎手、葉山嘉樹の代表作。教科書に掲載されたことで広く親しまれている。

■あらすじ
貧しい労働者の男は、勤務中にセメント樽の中から手紙を発見する。その手紙には、ある労働者がクラッシャーに飲み込まれ、石と共に砕かれ「セメント」になってしまった事故について記されていた・・・

奇抜なテーマかつ、秀逸な文章力が際立つ、おすすめの短編です。

④『海に生くる人々』葉山嘉樹

■日本プロレタリア文学の傑作長編

作者葉山嘉樹
発表時期   1926年(大正15年)   
ジャンル長編小説
ページ数261ページ

■作品紹介
日本プロレタリア文学の傑作と称される。
貨物船で働いていた作者の実体験を基に創作された。

■あらすじ
室蘭・横浜間の石炭船を舞台に、船員たちの過酷な境遇が快逆的に描かれる。俗悪な労働条件に反発する自然発生的なストライキ。その些細な勝利の末に弾圧が待っている・・・

⑤『太陽のない街』徳永直

■川端康成が絶賛したプロレタリア文学

作者徳永直
発表時期   1929年(昭和4年)   
ジャンル長編小説
ページ数384ページ

■作品紹介
『蟹工船』と並んで、プロレタリア文学の記念碑的作品と言われ、川端康成も絶賛した。ストライキに参加し会社を解雇された、作者の実体験が基になっている。

■あらすじ
ストライキに取り組む主人公の元に、ある婦人部員が相談に訪れる。彼女は数日前まで警察に拘束されていたのだが、拘置から釈放され家に帰ると、父や妹の姿が消えていた。弁護士に相談する主人公と婦人部員は、その帰り道に襲撃される・・・

小林多喜二の虐殺後、転向作家となったが、裏ではプロレタリアートに協力し続けた。

⑥『豚群』黒島伝治

■農村の貧困を描いたプロレタリア文学

作者黒島伝治
発表時期   1926年(大正15年)   
ジャンル短編小説
ページ数14ページ

■作品紹介
反戦小説で文壇に登場し、プロレタリアートに傾倒した黒島伝治の代表作。農村の貧困に焦点を当てた作風が特徴的である。

■あらすじ
百姓は小作料の代わりに家畜の豚で生計を立てている。だが地主はすぐに豚に目を付け、差押えを企む。そこで百姓たちは協力し、一斉に豚を放し、どれが誰の豚か分からないようにする。だが仲間の中に裏切り者が潜んでいた・・・?

⑦『施療室にて』平林たい子

■稀有な女性作家のプロレタリア文学

作者平林たい子
発表時期   1927年(昭和2年)   
ジャンル短編小説

■作品紹介
プロレタリア文学で稀有な女性作家の作品。アナーキストである恋人との実体験が基になっている。

■あらすじ
テロを企て夫と共に逮捕された主人公は、妊娠を理由に猶予され、病院で出産する。しかし脚気を患う主人公の母乳を飲んだことで赤子は死んでしまう。自分の乳を与えれば危険だと知っていて、なぜ授乳したのか・・・?

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