明治時代以降、日本では多くの海外文学が翻訳され出版されました。
中には映画やドラマになり広く親しまれている作品もあります。
そんな海外文学の中で、日本で最も売れた小説は何なのでしょうか?
今回は、海外文学の歴代売上部数TOP10をランキング形式で紹介していきます。
あくまで日本国内での売上部数なので、日本人に人気な海外文学が分かります。
どれも世界中で愛される名著なので、気になった作品があればチェックしてみてください!
1位『星の王子さま』サン=テグジュペリ
■600万部!世界中で愛される児童文学
発表時期 | 1943年(昭和13年) |
ジャンル | フランス文学、児童文学 |
■あらすじ
砂漠に不時着したパイロットが、星の王子さまと出会い、彼のこれまでの出来事が回想的に描かれる物語。「大切なものは、目に見えない」に象徴される、生命や愛といった普遍的なテーマが美しい言葉で綴られる、人生のバイブル。
200以上の国と地域で翻訳される児童文学の金字塔。大人にこそ刺さる内容から、今もなお多くの人に愛読されている。
2位『アンネの日記』アンネフランク
■600万部!ユダヤ人の迫害を描いた実録
発表時期 | 1947年(昭和22年) |
ジャンル | オランダ文学 |
■あらすじ
ナチス政権によるホロコーストから逃れ、隠れ家で生活する8人のユダヤ人を描いた物語。当時13歳の少女アンネが残した日記による実録。張り詰めた緊張と恐怖の中で生きる少女の想いが素直に綴られる。
アンネの死後に父によって日記が出版され、日本で600万部、世界では2500万部を超えるベストセラーを記録。
3位『ハリーポッターと賢者の石』J.K.ローリング
■508万部!大ヒット映画の第一巻
発表時期 | 1997年(平成9年) |
ジャンル | イギリス文学 |
■あらすじ
孤児で従兄に虐められるハリーポッターが、ホグワーツ魔法学校からの入学許可を受け、自分が魔法使いだと知る物語。ロン、ハーマイオニーに助けられながら、両親を殺したヴォルデモートとの運命の対決が始まる・・・。
処女作にして異例の大ヒットを記録したファンタジー作品。2001年に映画化され、日本での興行成績は『千と千尋の神隠し』『タイタニック』に次ぐ第3位を記録。(2022年時点では現在6位)
4位『老人と海』ヘミングウェイ
■482万部!ハードボイルド文学の金字塔
発表時期 | 1952年(昭和27年) |
ジャンル | アメリカ文学 |
■あらすじ
長い不漁に見舞われた老漁師サンチャゴが、巨大な魚と対決する壮大な闘争の物語。皆に馬鹿にされる中、唯一慕ってくれる少年マノーリンの存在。数日にわたる過酷な対決、そしてサメの群れの襲来。果たしてサンチャゴは勝つことができるのか・・・。
ピューリッツァー賞、ノーベル文学賞の受賞に際し審査対象となった作品。老人の肉体的苦痛と、それに勝るハードボイルドな精神力が肉質のある文章で描かれる。
5位『異邦人』カミュ
■407万部!「太陽のせい」で殺人を犯す!?
発表時期 | 1942年(昭和17年) |
ジャンル | フランス文学 |
■あらすじ
アラブ人を射殺したムルソーが、裁判にかけられる物語。母親の死後も情欲に耽るなど、人間味のかけらもない冷酷な人間であると糾弾されるムルソー。彼が最後に言い放った殺人の動機は「太陽が眩しかったから」。果たしてその歪な言葉に秘められた意味とは・・・?
ノーベル文学賞受賞の要因となった作品。不条理文学の最高峰。サルトルの『嘔吐』と並んでフランス文学の傑作と言われている。
6位『悲しみよこんにちは』サガン
■366万部!仏国内で20世紀の100冊に選抜
発表時期 | 1954年(昭和29年) |
ジャンル | フランス文学 |
■あらすじ
17歳の少女セシルが、父とその愛人と過ごすひと夏の物語。放蕩で気楽な生活を愛するセシルの前に現れた、理知的で超然とした新たな父の再婚相手アンヌ。彼女との対峙と葛藤の中で、繊細に揺れ動く少女の想いが綴られる。
ジーン・セバーグ主演の映画化が話題になり、「セシルカット」と呼ばれる髪型が流行。ゴシップガールとして注目を集めた作者サガンの行く末を暗示する半自伝的小説。
7位『変身』カフカ
■330万部!目覚めると巨大な虫になっていた
発表時期 | 1915年(大正4年) |
ジャンル | ドイツ文学 |
■あらすじ
ある朝目覚めると、巨大な毒虫になっていた男の物語。原因もわからぬまま残酷な運命を強いられた男は、家族の生活を逼迫し、やがて家族から疎外されるようになる。父親にりんごを投げつけられできた怪我によって衰弱していく男の運命とは・・・。
カミュの「ペスト」と並んで、不条理文学の傑作とされている。個人を襲う不条理をメタファー的に描く物語は、人間社会に痛烈なメッセージを放つ。
8位『車輪の下』ヘッセ
■318万部!周囲の軋轢に踏み潰される少年
発表時期 | 1905年(明治38年) |
ジャンル | ドイツ文学 |
■あらすじ
神童として周囲に期待される少年が、エリート神学校に進学し、墜落していく物語。周囲の期待に応えるために、自らの欲望を押し殺す生き方に疑問を感じドロップアウトした少年は、挫折と劣等感に押し潰され、どこまでも疲弊していく。
詩人を志しノイローゼになった少年期の作者をモチーフにした自伝的小説。いつの時代も社会の軋轢に苦しむ若者の共感を得る傑作。
9位『マディソン郡の橋』ロバート・ジェームズ・ウォラー
■256万部!共感と感動を呼んだ不倫の物語
発表時期 | 1992年(平成4年) |
ジャンル | アメリカ文学 |
■あらすじ
結婚はしているが孤独なイタリア人女性が、マディソン郡の橋で出会った写真家と不倫の恋に落ちる物語。彼女が隠していた4日間の情事が、死後に子供達によって明かされていく・・・。
クリントン・イーストウッドにて映画化。不倫をテーマにした内容ですが、多くの人の共感と感動を呼んだ、叙情詩的で官能的な愛の物語。
10位『グッドラック』アレックス・ロビラ/フェルナンド・トリアス・デ・ベス
■200万部!正しい努力の方法を諭す啓発小説
発表時期 | 2004年(平成16年) |
ジャンル | スペイン作品 |
■あらすじ
54年ぶりに再開した、仕事も財産も失い変わり果てた友人。主人公は祖父から聞かされた「魅惑の森」の物語を友人に語る。その物語は、「運」と「幸運」の違いを伝え、友人の人生の霧を晴らすことになる。
人間関係、仕事、学業、生活などに悩む人に、正しい努力をうながし、幸福とは何なのかを気づかせる。人生につまずいた時に読みたい啓発的小説。
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