太宰治『走れメロス』あらすじ解説 教科書掲載の名著を紹介

走れメロス 散文のわだち
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太宰治の小説『走れメロス』は、教科書に掲載される名著です。

古代ギリシアの伝承を元に、メロスとセリヌンティウスの友情が描かれています。

本記事では、あらすじを紹介した上で、物語の内容を考察しています。

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『走れメロス』の作品概要

作者太宰治(38歳没)
発表時期  1940年(昭和15年)  
ジャンル短編小説
テーマ信頼の尊さ、
友情の美しさ
収録作品集『走れメロス』
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『走れメロス』あらすじ

あらすじ

「メロスは激怒した。」

妹の結婚式の買い物に来た街で、人間不信に陥った王が、無差別に人を殺していたのだ。正義感の強いメロスは、城に忍び込み、王の愚行を非難した。その結果メロスは死刑を宣告される。

妹の結婚式を控えるメロスは、親友セリヌンティウスを人質にする条件で三日間の猶予を与えられる。メロスが戻らなければ親友が処刑されるのだ。

妹の結婚式を終えたメロスは、約束通り親友の元へ向かう。だがその道中で多くの災難が彼の行手を阻む。一時は、いっそ友を売って裏切り者として生きていこう、と悪心に取り憑かれる。それでも何とか正気を取り戻し、親友のために死に物狂いで走り続ける。

間一髪メロスは約束の時間に間に合った。メロスとセリヌンティウスは、お互いに一度だけ相手の信用を裏切りそうになったことを謝罪し、熱い抱擁を交わす。その様子を見ていた王は、自らの悪心を顧み、信じる心を取り戻すのだった。

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・『人間失格』生田斗真主演
・『ヴィヨンの妻』
松たか子主演
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仲村トオル(演劇)
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『走れメロス』の個人的考察

個人的考察

メロスと暴君は同一の存在!?

当ブログの筆者は、初めて『走れメロス』を読んだ時に、なぜか納得できませんでした。学校の先生も、小説好きの友人も、インターネットも、『走れメロス』は「友情」「信じる心の尊さ」を訴えた物語だと豪語します。しかし、私には本作がどうしても少年ジャンプ的な感動の物語とは思えないのです。

そもそも、道中メロスは一体何と葛藤していたのでしょうか?

もちろん、それは人間の潔白さです。人間という生き物が信用に値する存在だと言うことをメロスは強く信じていました。

この類のテーマは、もはや太宰治の代名詞と言って問題ないでしょう。太宰治といえば、「人間の信念」を生涯追求し続けた苦悩の人です。

以前紹介した「人間失格」においても、他人を信用して本当にいいことなんてあるのか、というテーマが色濃く描かれていました。太宰治本人が、ほとんど人間不信のような男でした。いくら当時の精神状態が健康だったからといって、単に「友情」の物語を書くなんて、にわかに信じ難いわけです。

つまり、『走れメロス』は決して人間の潔白さや、友情の素晴らしさだけを描いているわけではなく、その奥に存在する人格の二重性を表現しているように思われます。

正義感を具現化したメロスと、人間不信になった暴君ディオニス。彼らは対極の位置にいるように見えますが、実は同一の存在でもあるのです。

暴君ディオニスが「本当は自分も平和を望んでいる」と口にする場面があります。しかし、周囲の人間が私欲のために他人を裏切るので、王は人間不信に陥ってしまいました。

つまり、ディオニスは決して始めから人間を疑っていたわけではなく、他人を強く信じたからこそ、裏切りに過敏になってしまったのです。ましてやメロスのような村の牧人とは異なり、街を治める王です。人間の醜い部分を目にするきっかけはメロスよりも極めて多いはずです。

メロスもディオニスも信念に対して非常に敏感な、同じ類の人間なのです。ただ、生活環境や周囲の人間の種類が違うだけで、彼らの過敏な信念は正義にも悪にもなり得るということでしょう。

その証拠として、メロスとセリヌンティウスの友情に魅せられた王は改心し、人間同士の信用が空虚な妄想ではないことを認めます。決して自分の価値観を覆されたのではなく、心の底では肯定したいと思っている信念を、ようやく具現化してくれる存在が現れたと、王はその瞬間を待ちわびていたように思えるのです。

メロスにおいても同様です。刑場に向かう途中、精魂尽き果てたメロスは、投げやりな気持ちになります。それどころか、正義や信実や愛を、くだらないと罵りさえするのです。メロスにも、状況次第で、暴君になり得る可能性があったように思いませんか。

メロスは友のために走っていない!?

満身創痍で走り続けるメロスは、ほとんど友人よりも自らの問題に囚われています。

私は生れた時から正直な男であった。正直な男のままにして死なせて下さい。

まるで、裏切られた友人の惨めさを思ってではなく、自分が潔白であり続けるために走っているようなのです。

あるいは、友を裏切れば自分や家族が笑い者にされることや、不名誉であることなど、社会的な視線ばかり気にしている描写もあります。ともすれば、友が処刑されたら自分も死ぬという決意は、「不名誉を背負って生きていくのは辛いから死んでしまう」という意味に聞こえてなりません。

つまり、ラストの心温まる抱擁のシーンなど結果論に過ぎません。メロスは、「友を裏切らない」ということを私欲のために果たそうと必死になっていたのです。

これこそが、太宰治が生涯苦しんだ、人間不信と自己嫌悪の相反する煩わしさではないでしょうか。永遠に抜け出せい、地獄のようなサイクルであります。

何かを強く信じている人間は、状況が変われば、正義にも悪にもなり得る。そして、悪に染まるのも私欲、正義を追求するのも私欲。

本作にはそんな、奥深い人間のテーマが記されているように思います。

作者は友を人質に逃亡、メロスは幻想

本作が訴えるように、太宰治は人間同士の信用について深いテーマを持っていました。

しかし、私生活においては平気で友達を裏切るクズ人間でした。

ある時、太宰治は熱海の旅館に篭って執筆活動に励んでいました。しかし、宿泊費が払えなくなった太宰治は、妻に連絡して、友人である作家檀一雄に金を届けてもらいます。

しかし、檀一雄が熱海にやって来ると、太宰治は執筆もほどほどに、2人で大酒を飲んでまたしてもお金を浪費してしまいます。せっかく妻に頼んだ金もすっからぴんです。

再び宿泊費が払えなくなった太宰治は、友人の菊池寛にお金を借りて来ると言って、檀一雄を旅館の人質にし、1人で東京に帰っていきます。

檀一雄は太宰治の言葉を信じ、人質として熱海の旅館で待っていましたが、一向に音沙汰がありません。

ついに痺れを切らした檀一雄は、旅館の番頭を説き伏せ、自分も東京に戻ります。すると太宰治は、のんびり将棋などを指していました。

あまりの腹立たしさに、檀一雄が怒鳴り散らすと、太宰治はこう言ったのでした。

待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね

全く意味が判りません。

メロスとセリヌンティウスの熱い抱擁は幻想、実際はセリヌンティウスは磔で処刑される運命だったようです。

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