夢野久作おすすめ代表作8選|初心者向けの短編から難解な奇書まで

夢野久作 おすすめ作品

日本文学随一の奇才、夢野久作。

精神異常、変態、エロ・グロなどの作風が特徴で、代表作『ドグラマグラ』は日本三大奇書の1つとされている。

長大で難解な『ドグラマグラ』の他に、長編・短編問わず多くの奇怪な作品がある。

本記事では、夢野久作のおすすめ代表作を厳選して8作紹介していく。

初心者でもとっつきやすいよう作品ごとに難易度を記している。

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①『ドグラマグラ』

■日本三大奇書のひとつ、意味不明な問題作

発表時期   1935年(昭和10年)   
ジャンル長編小説(上下巻)
難易度★★★★★

■作品紹介
言わずと知れた日本三大奇書のひとつ。
「読んだ者は精神に異常をきたす」と言われるほど、不気味で理解不能な問題作。

■あらすじ
精神病院で目覚めた記憶喪失の青年が、ある殺人事件の真相に接近する中で、自分が誰なのかを思い出そうと苦闘する。もしかして自分は殺人事件の犯人なのか。あるいはこんな不可解な「今日」を何度も繰り返しているのではないか。しかし青年が誰で今日がいつなのか、全ては謎に包まれている・・・。

夢野久作の代名詞にして、もはや探偵小説の域を超えた、日本文学屈指の難関作。上下巻約700ページの超大作なので、心して挑戦してください。

②『瓶詰地獄』

■近親相姦と宗教の葛藤を描いた問題作

発表時期   1928年(昭和3年)   
ジャンル短編小説
難易度★★★☆☆

■作品紹介
兄妹の近親相姦というタブーを扱った衝撃の問題作。『ドグラマグラ』に次いで人気がある。ポルノ映画化されるなど、狂気と官能が合わさった夢野久作らしい作品。

■あらすじ
浜に打ち上げられた三つの瓶には、ある兄妹の恐ろしい告白の手紙が入っていた。無人島で遭難した兄妹は、救助を求めると同時に、やがて罪深い愛欲に目覚めていく。近親相姦とキリスト教を題材に、兄妹の破滅的な運命が描かれる・・・。

③『キチガイ地獄』

■『ドグラマグラ』の前身となる短編

発表時期   1932年(昭和7年)   
ジャンル短編小説
収録作品集『空を飛ぶパラソル』
難易度★★★☆☆

■作品紹介
精神病と記憶喪失をテーマにした、『ドグラマグラ』の前身とも言える短編小説。

■あらすじ
記憶喪失になった精神病の患者は、ある犯罪者の男とその素性を知る記者の物語を告白する。しかし告白が進むごとに記憶を取り戻す精神病の患者は、果たして自分が犯罪者なのか記者なのか、人格がぐちゃぐちゃになってしまう・・・。

長大で難解な『ドグラマグラ』に挑戦する前の腕ならしにおすすめの作品です。

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④『少女地獄』

■三人のモダンガールの狂気と破滅

発表時期   1936年(昭和11年)   
ジャンル短編小説集
難易度★★★☆☆

■作品紹介
狂気的な少女を題材に、三遍の物語から成る書簡形式の作品。『ドグラマグラ』『瓶詰地獄』と並んで人気がある代表作。

■あらすじ
虚言癖の少女、自分を殺そうとする男に惹かれる少女、復讐によって愛情を伝える少女。周囲から異常と見なされる、しかし正常なモダンガールたちが、男性中心主義の日本社会で奮闘し破滅する・・・。

探偵小説らしい謎が暴かれていく面白い物語なので、初心者におすすめ!

⑤『犬神博士』

■体制に抗う少年の世にも奇妙な冒険譚

発表時期   1932年(昭和7年)   
ジャンル長編小説(未完)
難易度★★☆☆☆

■作品紹介
夢野久作の作品の中で群を抜いて、明るく爽快な小説。連載していた新聞が廃刊になったため、未完のまま残された作品だが、それでもファンから異常に人気が高い。

■あらすじ
大道芸人として少女のなりをする少年が、社会のイカサマや、権力者の悪事を次々に暴いていく物語。大衆を抑圧する体制に抗う姿が描かれた痛快な冒険譚。

他作品のような難解さがないため、夢野久作が苦手な人にもおすすめです。

⑥『きのこ会議』

■「きのこ」VS「人間」の皮肉な物語

発表時期   1922年(大正11年)   
ジャンル短編小説(掌編)
難易度★☆☆☆☆

■作品紹介
わずか5ページ程度の掌編小説。多くの短編を残した夢野久作の作品の中で、最も人気のある作品のひとつ。

■あらすじ
人間に採られることに不満を覚えた「きのこ」が、人間の役に立たない毒きのこになろうと会議する、ユーモア溢れる寓話。毒きのこになった結果、彼らはどんな運命を辿るのか・・・?

夢野久作の皮肉的な作風を童話感覚で楽しめる作品です。

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⑦『人間レコード』

■反共産主義をテーマにしたSF作品

発表時期   1936年(昭和11年)   
ジャンル短編小説
難易度★★☆☆☆

■作品紹介
夢野久作の作品の中で最も政治色が強い短編小説。晩年の夢野久作に見られる、反共主義の思想が色濃く表れている。

■あらすじ
ソビエトが開発した「人間レコード」は、当人の意識外に機密情報を録音することができる技術である。そのため、仮に逮捕され拷問を受けても、情報を暴露される恐れはない。この技術を駆使して、ソ連は日本にスパイを送り込むのだった・・・。

近年文庫本の表題作として発表され、再注目された隠れた名作。SF好きに取っ付きやすく初心者にもおすすめ!

⑧『人間腸詰』

■文学史上最もグロテスクなホラー作品

発表時期   1936年(昭和11年)   
ジャンル短編小説
難易度★★★☆☆

■作品紹介
タイトルから想像できる通り、まさに夢野久作らしい、グロテスクな怪奇小説。

■あらすじ
アメリカで開催される万博で「台湾館」を建設することになった大工は、台湾娘に色目を使われて舞い上がり、誘われるがままある建物にやって来る。そこはなんとギャングのアジトで、人間をソーセージにする機械があった・・・

身の毛もよだつ恐ろしい物語で、読後感が悪いため、心して読んでください。

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まとめ

■夢野久作おすすめ代表作8選

①『ドグラマグラ』
②『瓶詰地獄』
③『キチガイ地獄』
④『少女地獄』
⑤『犬神博士』
⑥『キノコ会議』
⑦『人間レコード』
⑧『人間腸詰』

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