芥川龍之介おすすめ代表作品10選 教科書作品から隠れた名作まで

芥川 おすすめ おすすめ作品

大正時代を代表する文豪、芥川龍之介。

自殺するまでの短い生涯で374作品を執筆し、さらに初期・中期・後期と作風が変化していったことでも有名です。

本記事では、教科書掲載の代表作から隠れた名作まで、10作品を厳選して紹介します。

▼目次をタップすると全作品が表示されます。

①『鼻』

夏目漱石が賞賛した新時代の小説

発表時期1916年(大正5年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
禅智内供という鼻の長いお坊さんの物語です。長い鼻に苦心した彼は、試行錯誤して普通の鼻を手に入れたのですが、周囲の人間にかえって嘲笑われてしまいます。「不幸な人間が幸福になってはつまらない」という傍観者の利己主義を秀逸に描いています。

かの夏目漱石が称賛したことでも有名な初期の代表作です。自殺前の辞世の句にも「鼻」という言葉が登場し、いかに本作が芥川にとって重要な傑作であるかが見てとれます。

②偸盗

作者も認める一番の駄作!?

発表時期1917年(大正6年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
沙金という美しい娘率いる盗賊集団の物語です。ある兄弟はどちらも沙金に翻弄されており、そのせいで兄弟の関係が危ぶまれています。そんな中、沙金は弟に対して、兄を殺す計画を持ちかけます。恋敵である兄を邪魔に感じていた弟は彼女の計画を承諾します。しかしそれも罠だった・・・?

芥川の作品を見れば分かる通り、彼は長編小説を殆ど残していません。それと言うのも、彼は長編小説が書けないことに苦心していたのです。そんな彼が長編に挑んだ結果、失敗に終わったのが本作『偸盗』なのです。生前は作品集に収録されることもありませんでしたが、後にファンの間で高い評価を得るようになりました。

③『地獄変』

芥川の最高傑作!芸術至上主義の境地

発表時期1918年(大正7年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
「良秀」という天才絵師の物語です。自らの作品を完成させるためにはどんな犠牲をも厭わない彼は、まさに芸術至上主義の象徴たる存在です。そんな彼は、大殿様の企みによって、作品の完成と大切な娘の命、そのどちらかの選択を強いられます。芸術と愛、彼はそのどちらを選んだのか・・・?

全キャリアを通して最高傑作と名高い作品です。芸術家の狂気と、奇才が生み出す作品の空恐ろしさ。文学ファンのみならず、全ての芸術ファンが読むべき問題作です。

④『蜜柑』

ファン人気が高い隠れた名作

発表時期1919年(大正8年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
「不可解な、下等な、退屈な人生」に囚われた主人公の、何気ない日常の一部を切り取った物語です。列車で乗り合わせた田舎娘の醜い容貌に辟易していた主人公は、どんどん鬱屈とした気分に陥ります。ところが醜い娘の内面の美しさに気づいた瞬間に、世界は色彩に溢れ、途端に主人公は「不可解な、下等な、退屈な人生」から解放されるのでした。

数ページの殆どエッセイのような作品なのですが、技巧が非常に優れており、芥川龍之介の文才が最も表れた作品です。初期のシニカルな作品とは打って変わり、詩的で美的感覚が優れた中期の隠れた名作です。

⑤『杜子春』

これぞ芥川らしい皮肉的な作品

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発表時期1920年(大正9年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
不思議な仙人の力で何度も大金持ちになる杜子春という男の物語です。しかし金の有無で態度を変える人の世に嫌気が差した杜子春は、仙人に弟子入りします。そんな彼に与えられた修行は「何があっても声を出してはいけない」でした。様々な幻覚にも微動だにしない杜子春の前に最終的に現れたのは、酷い目に合わされる両親の姿でした。果たして彼は拷問を受ける両親を目の前に、声を出さずにいられるのか・・・?

初期のシニカルな作風を踏襲しつつも、物語に展開がある少し長めの作品です。中国に伝わる伝奇小説を童話化したものですが、芥川はあえて母子の問題に焦点を当ててリメイクしています。彼が生涯抱えていた母親に対する念慮が物語に表れているのかもしれません。

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⑥『藪の中』

黒澤明によって映画化された作品

発表時期1922年(大正11年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
ある殺人事件について、各人の証言が順番に綴られる物語です。ただし当事者3人の証言が食い違っており、3人ともが犯行を認めるため矛盾が生じます。しかも真犯人が明かされないまま物語が終わる、かなり実験的な小説です。事実の不確実性や、人間が持つ主人公願望が巧みに表現されています。

黒澤明が監督を務めて映画化されました。彼が「世界の黒澤」と称されるきっかけとなった作品でもあります。果たして黒澤明はこの実験的な小説をどう結論づけているのか、是非映画の方もチェックしてみてください。

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芥川の代表作『藪の中』は、黒澤明によって『羅生門』という題名で映画化されました。

「世界の黒澤」の名を轟かしたきっかけとして、世界中で評価されている映画です。

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⑦『猿蟹合戦』

昔話の後日談は惨め!?

発表時期1923年(大正12年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
昔話でお馴染み、約束を破った猿が蟹に成敗される物語の、後日談が語られます。

主犯格である蟹は死刑、共犯である臼と蜂と卵は無期懲役になります。交渉が口約束だったために、猿の悪巧みを証明することがず、法治国家に彼らは裁かれたのです。蟹は猿と戦ったが最後、天下のために殺される運命なのです。痛烈な社会風刺が面白おかしく描かれています。

後期に差し掛かり、社会批判・政治批判の特色が多少現れています。ただし芥川お得意の、古典作品を独自リメイクした手法が用いられているので、取っ付き易い思います。

⑧『あばばばば』

奇妙なタイトルの私小説

発表時期1923年(大正12年)
ジャンル短編小説

■作品紹介
煙草屋の勘定台に座る若い娘との出会いを描いた私小説です。常に恥ずかしそうにしていて、話しかけただけで顔を赤らめるうぶな娘。そんな彼女を面白がって主人公はわざとからかったりしていました。ところが、しばらくして久しぶりに再会した娘は、かつてのうぶな様子ではなくなっていた・・・。

保吉もの」と呼ばれる作品群のひとつで、作者の体験談を題材に描かれています。何気ない日常の一部を切り取っただけの物語を、これほど秀逸な展開で描く、芥川の技量に圧倒させられる隠れた名作です。

⑨『河童』

社会風刺が強い河童の世界の物語

発表時期1927年(昭和2年)
ジャンル中編小説

■作品紹介
河童の国に迷い込んだ男の物語です。河童の国と人間の世界の価値観の違いを列挙して、人間社会や日本社会を痛烈に風刺します。精神病院に入院している主人公が正常で、一見正常に生きている多くの人間が異常だ、というメッセージがかなり辛辣です。

後期の作品であるため、かなり過激な内容になっています。自殺前の芥川が抱えていた、家族の問題、芸術の問題、女性問題、それらが垣間見えます。一般的な芥川像とは異なる、より破滅的な部分を知りたい人におすすめの作品です。

⑩『歯車』

自殺前の破滅的な私小説

発表時期1927年(昭和2年)
ジャンル中編小説

■作品紹介
執筆に対するプレッシャー、女性問題、身内の不幸と金銭的な負荷、過労による心身の疲労。様々なトラブルが重なった主人公が街をさすらいながら、あらゆる人や物に強迫観念を抱く、自殺間際の危険な精神状態を描いた物語です。病んだ主人公の視界に映る、半透明の歯車の正体とは・・・?

自殺前の心境を吐露するような破滅的な私小説です。一部のファンの間では最高傑作と評されることもあります。しかし、従来の芥川作風とはまるっきり異り、物語性も完全に排除した、賛否両論別れる異端な作品なので、上級者におすすめです。

まとめ

【芥川龍之介おすすめ小説10選】

①『鼻』
②『偸盗』
③『地獄変』
④『藪の中』
⑤『蜜柑』
⑥『杜子春』
⑦『藪の中』
⑧『あばばばば』
⑨『河童』
⑩『歯車』

※タイトルをタップするとスクロールされます。

芥川龍之介の破滅エピソード

ぼんやりした不安

そんな抽象的な言葉を残して自殺した芥川龍之介。生前の彼は一体何に苦しみ、何に殺されてしまったのか。

下の記事では芥川が抱えていた苦悩を紹介し、自殺の原因を考察しています。

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