【高校現代文】教科書掲載おすすめ文学作品10選|本当に面白い小説と詩

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高校教科書 おすすめ作品

当時は聞き流していた教科書の文学作品。

そこには今でも不動の人気を誇る、本当に面白い文学作品が掲載されている。

大人になって、ふと読み返してみようかな、と思った方必見!

本記事では、高校の現代文の教科書に掲載された作品から、おすすめ10選を紹介していく。

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『羅生門』芥川龍之介

生きるための悪事は悪なのか?

発表時期   1915年(大正4年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
荒廃した京の都で、暇を与えられた下人が、寝床を探して辿り着いた羅生門。そこでは不法投棄された死体から髪をむしる老婆がいた。老婆は下人に問う。生きるために悪事を働くのは悪なのか、と。

明治時代の終焉と共に台頭した、利己主義的な文学の代表作。人間のエゴや醜悪を秀逸に描いた、初期芥川文学の代名詞的作品。

②『舞姫』森鴎外

鴎外のドイツ留学を綴った自伝的小説

発表時期   1890年(明治23年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
某省に奉職する主人公は、ドイツ留学中に現地の女性と恋に落ちる。仲間の戯言で免職となった主人公が、現地で職を見つけ女性と同棲を始める。ところが子を孕ったにも関わらず、復職の目処が立った主人公は妻と腹の子を捨て、日本に帰国してしまう・・・。

主人公が意志薄弱であるという批判から、日本における最初の文学論争が巻き起こったことでも有名。森鴎外の人間性を疑ってしまうのは、高校教育で本作を扱う点が大きいだろう。

③『富嶽百景』太宰治

■御坂峠の旅館に滞在する作者の日常

発表時期   1939年(昭和14年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
思いを新たに旅に出た主人公は、甲州御坂峠の旅館「天下茶屋」に滞在する。深く沈んでいた主人公は、滞在する三ヶ月の間に徐々に回復に向かい、その心情の変化が富士山の景観と重ね合わせて描かれる。

妻の不貞により四度目の自殺を図った太宰が、心機一転、執筆に集中するために御坂峠に滞在した期間の実録的小説。彼が滞在した「天下茶屋」の二階は、現在は記念館になっている。

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④『檸檬』梶井基次郎

■檸檬の爆弾で起こす美と想像のテロ

発表時期   1925年(大正14年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
「得体の知れない不吉な塊」に支配された主人公が、店先で見つけた檸檬。その美しさに愉悦を覚えた主人公は、檸檬を爆弾に見立てて、想像のテロリズムによって憂鬱を爆破する・・・。

心象的な描写が美しい梶井文学の代表作。実際に主人公が檸檬を置き去った場所は、「丸善京都本店」がモチーフで、今でも文学ファンの聖地として有名。

⑤『セメント樽の中の手紙』葉山嘉樹

■学校で習うプロレタリア文学

発表時期   1926年(大正15年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
貧しい労働者である主人公が、労働中にセメント樽の中から見つけた1通の手紙。そこには危険な労働環境によって恋人を失った女工の痛切な思いが綴られていた・・・

プロレタリア文学といえば小林多喜二の印象が強いですが、本作の作者・葉山嘉樹は、初期プロレタリア文学の礎を気づいた人物です。思想は別として、芸術的な完成度が高いのでおすすめ。

⑥『サーカス』中原中也

■オノマトペの天才中原中也の代表作

発表時期   1929年(昭和4年)   
ジャンル

■あらすじ
「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」このオノマトペが特徴的な詩人・中原中也の代表作。短い生涯、作者の抱えていた悲しみが、独特な表現によって赤裸々に語られる

破綻した性格で多くの文学者と一悶着を起こしたことでも有名な中原中也。その素行の悪ささえも、言いようのない悲しみの表れのようで、一度彼の詩の世界に入り込むと、どこまでも心酔してしまう。

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⑦『伊豆の踊子』川端康成

■作者が経験した身分の違いによる儚い恋

発表時期   1926年(大正15年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
孤独と憂鬱に苛まれ伊豆に旅に出た主人公が、旅芸人の一行と出会い交流する物語。踊子の少女との間に芽生えた感情は、身分の違いによって儚い旅の終わりに涙へと変わる・・・。

ノーベル文学賞作家・川端康成の初期の名作。幾度となく映画化され、吉永小百合や山口百恵など、名だたる名女優たちが主演を務めた。

⑧『城の崎にて』志賀直哉

■電車に轢かれた実体験を基に語られる死生観

発表時期   1917年(大正6年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
山手線の電車にはねられ怪我をした主人公が、後養生のため訪れた城崎温泉での物語。死に対して孤独な印象を抱く一方で、不思議と親しみのようなものも感じる、そんな死にかけた人間ならではの死生観が語られる。

志賀直哉といえば父親との不仲。この不幸な事故に遭った時期はまだ和解を実現できていないため、肉体のみならず精神的な蟠りもあり、妙に生々しい観察力で死生観を表現できたのかも知れない。

⑨『なめとこ山の熊』宮沢賢治

■資本主義がもたらす殺生問題の闇

発表時期   1934年(昭和9年)   
ジャンル短編小説

■あらすじ
なめとこ山で狩猟をする主人公は、生活のためにどうしても熊を殺さなければいけない。ある時主人公は、「おまえは何がほしくておれを殺すんだ」と熊に問いかけられる・・・。

単に殺傷問題を風刺するのではなく、資本主義によって労働者がやむを得なく殺傷しなければいけないリアルな実情を描いた作品。賢治の痛烈なメッセージは子供のみならず大人にこそ響く。

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⑩『こころ』夏目漱石

■日本一売れている「人間失格」と双璧な小説

発表時期   1914年(大正3年)   
ジャンル長編小説

■あらすじ
主人公が出会った「先生」の後ろ暗い過去が書簡形式で綴られる名作。親友Kとお嬢さんとの三角関係。明治時代の終焉と乃木希典の殉死。変わりゆく価値観の中で、人間の深い部分にあるエゴイズムと倫理との葛藤を徹底的に描き切った名作。

「日本で一番売れている小説」と称されるように、誰もが一度は読んだことがある作品。再読すると、学校教育では教わらない闇が見えてきます。

まとめ

1『羅生門』芥川龍之介
2『舞姫』森鴎外
3『富嶽百景』太宰治
4『檸檬』梶井基次郎
5『セメント樽の中の手紙』葉山嘉樹
6『サーカス』中原中也
7『伊豆の踊子』川端康成
8『城の崎にて』志賀直哉
9『なめとこ山の熊』宮沢賢治
10『こころ』夏目漱石

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